
ゲイ雑誌は2020年のサムソン休刊によって、全てのゲイ雑誌が消滅した。インターネットの普及によって、ゲイ情報は秘匿されたものではなくなり、ゲイ以外でも容易に見られるようになった。ゲイ雑誌が隆盛を極めていた頃、ゲイに関する情報はゲイ雑誌に頼らざるを得なかった。それ以前、ゲイ情報は風俗誌に特集という形で取り上げられていた。ゲイはそれこそ性癖を同じくする人で集まった同好会という形で、不定期に時間と場所を決めてパーティを開いていた。あくまでクローズドなもので、メンバーは紹介制であった。それが定期的になり、秘密裏に集まっていたメンバー間の関係性も希薄化し、経費も割り勘で徴収するようになる。主催者自身が趣味で仕事の片手間にやっているということもあり、特定の曜日を決めて開かれるというスタイルは変わらない。寂れたシャッターだらけの繁華街の中に急に表れる、土日しか開いていない、飲み屋の二階の座敷として使われていたようなところにある、全然リノベーションせずに襖だけ取り外して空間だけ提供しただけのスタイルのハッテン場を見ると、そんな昔の、絶対秘密で開かれていた同好会の様子を疑似体験した気分になる。
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