
娯楽というと、一昔前では映画館がその一翼を担っていた。普通の成人映画館であれば、まあ静かに座って観ていなければならないのだろうから、せいぜい自慰行為が関の山だ。成人映画館となると、暗い空間でエロい映画が流れている状況だ。成人映画館と言いつつ、客は男ばっかりであり、次第にゲイの溜まり場となっていき、行為を伴うようになっていったのは自然の流れだろう。ただ、映画館という形自体は変えることができないので、席の形とかスクリーンとか基本的なところは変えることができない。席がガラガラな状態であるのに隣に来て、カラダをちょっと触って合図を送ったりといったやり取りを交わしつつ、いつしか映画そっちのけで行為に移行する。そして、ゲイ専用の映画館、ハッテン映画館が登場する。かなり前から映画館の存在意義は薄れ、成人映画館も廃れていく。自宅でビデオやDVDを観賞できるようになり、今では携帯等で動画をいつでも見ることができる。自宅でこそこそ隠れて見る必要さえなくなり、ゲイ映画が性的興奮の導入的役割を果たさなくなり、ゲイポルノ映画でさえもアマゾンプライムやネットフリックスで容易に見られるようになった現在、ゲイ映画館はもう風前の灯火だ。東京は歌舞伎町にあった新宿ローズがなくなり、大阪にあった老舗、梅田ローズも2011年に閉館、2022年現在は大阪の日劇ローズを筆頭に、横浜、広島、小倉の4つしかない。ゲイポルノ映画というカテゴリー自体、郷愁をそそる。
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