
ゲイの社交場であるハッテン場、歴史を語る前に、ゲイの扱いが今とは異なることを触れなければならない。ゲイは今も昔も存在したが、つい最近まで、ホモと呼ばれ、ゲイは病気であり、異常性欲であり、国によっては犯罪者という位置づけであった。また、今でこそバブルを経て経済大国として君臨しているが、日本は敗戦国で極度の貧困を経験してから復興、そして高度成長を遂げたのである。ここで扱う有料ハッテン場は、貧困と娯楽、便所、夜の街、秘密厳守からそれぞれ産声を上げ、凄まじいゲイバッシングの中を生き抜いて、現在に至っている。もちろん、ハッテン場というのはどれもが自然発生したわけではないのだが、ここでは無料ハッテン場との接点と融合、そして発展を軸にして、「名残」から歴史を紐解いていく。まず、ハッテン場というのは混沌から発生するが、それには条件がある。男しかいないという空間である。男100%という条件を満たした空間は、様々な要因によって徐々にハッテン場化していく。ハッテン場化、その過程はゲイの排他的・独占的使用である。ゲイ100%の空間になって、ハッテン場化は完成を見る。
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