
黄色い瓶に赤い字で書かれたラッシュの瓶を片手に、時折瓶を近づけて鼻から交互に当てて勢いよく吸いながらセックスを楽しんでいた。ラッシュは揮発性物質で、シンナーのような臭いがして、ハッテン場はこの臭いで溢れていた。ウケが摂取すると、感覚が過敏になって、ちょっとした刺激にも過剰な反応を示し、さっきまでとはうって変わって叫び悶え、大声で連呼して喚いていたと思ったら急に素に戻り、また摂取して、といったように、いったんやったら病みつきになるような媚薬であった。常習者となると嗅ぐだけでは足りず、スプレーで喉に噴霧するなどして摂取し、ゲップからラッシュ臭がするくらいであった。しかし、2005年に5meoが、2006年にラッシュが指定薬物となり、販売が禁止されると同時ハッテン場でも使用が禁止された。ただ、当時は海外で容易に購入できたし、皆が指定薬物になる前に大量購入していたので、ハッテン場からこの臭いが消えるのはそれからしばらく経過してから(2014年に個人の使用・所持が禁止、2015年に個人輸入禁止)だった。ハッテン場が薬の巣窟と呼ばれたのは、最早やめられなくなった常習者が、そうした手段で手に入れてハッテン場に持ち込んでいたからであった。
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