
新宿の某人気ハッテン場で150人と関係したとか、上野のサウナ系ハッテン場に入り浸っていたという噂も流れ、ゲイコミュニティがパニックになった。エイズパニック、一般社会であれば、例えば電車で一緒に乗っていたら空気感染しないのか、蚊が媒介するんじゃないか、どこのだれかを教えろ、そんなエイズについての正しい知識がないまま、尾ひれはひれがついて広まっていったが、少なくともゲイの病気であって自分たちの世界とは違うという認識ではあった。反対に、エイズパニックのゲイコミュニティに与えた影響は計り知れない。ゲイ同士が相互不信に陥り、特に不特定多数とゴムなしで楽しんでいたゲイはそれこそその壮絶死の過程を明日は我が身と震撼した。しかし、告白本やドキュメンタリーが放映された頃には、特効薬とはいかなくともHIV感染が必ず死ぬ病気ではなくなった。ただ、以後現在に至るまで、ハッテン場の楽しみ方が変質した、つまり不特定多数との生での乱痴気騒ぎがなくなったとは言わないが、すっかり影を潜めることになった。
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